高齢者・被災者宅ペット、獣医師巡回訪問事業

「笑顔見守り巡回プチヴィー」

当会は、2017年度福島県「ふるさと・きずな維持・再生支援事業」に採択いただき、2017年7月より、ペットを飼育する高齢者・被災者等のお宅を、定期的に獣医師とともに訪問致します。宜しくお願い致します。

●飼い主の孤独死により遺されたペットたち

 2016年4月、県南地区に住む独居高齢者が、愛猫と多数の庭猫を残して孤独死されました。県南保健所職員様より連絡をいただき、ご自宅へ伺い飼い主様の知人より詳細をお聞きしました。生活保護家庭で、家財撤去日が迫っていたこともあり、飼い猫4匹人馴れしている庭猫数匹を緊急保護。画像は、遺影の前に座る飼い猫の「元気」です。

 室内には4匹の猫がいましたが、屋外のベランダにも多数の猫がいました。妊娠している猫も数匹。飼い主様は移住者。この地域は野良猫が多いこともあり、たくさんの猫のお世話をされていました。画像は、飼い主様が手術して助けた3本脚の猫。

 この地域の猫たち17匹の不妊去勢をしました。人馴れしていない猫はリリース。

 2017年6月、白河市内公園で、市内在住の男性が自らの命を絶ちました。アパートの部屋には、自殺された方の愛犬ボーダーコリーがいましたが、大変に問題のある犬で、触ることができず、県動物愛護センター職員様に来ていただき、麻酔をかけて繋留しました。飼い主様は、心臓を悪くされ、室内は糞尿と薬が散乱。最後は散歩もできない状態だったと近隣の方々から聞きました。問題の多い犬「ナナ」ですが、飼い主様にとっては大切な愛犬。どんな想いで死に向かったのか。部屋を死に場所にしなかったのは、愛犬への愛情だと思います。

 一時は、安楽死を考える状況であったボーダーコリー「ナナ」でしたが、ボーダーコリーレスキュー様により保護され、ナナは千葉へと旅立ちました。

 自殺された方は、遺書を残されたと聞きました。その遺書には、愛犬についても記されていたとのこと・・・。

 大好きなパパを待って過ごした約1週間。遺体が発見された日には、4人の屈強な警官に毛布を被せられ、床に押さえつけられてしまいました。必死でパパのいない部屋を守ろうとしたナナちゃんの気持ちを想うと切なくなります。

 ナナちゃんが千葉に旅立った後、自殺現場に報告に行きました。面識はありませんでしたが、同じ愛犬家として、ナナちゃんの無事をおしらせしなければと思いました。どんなお気持ちで、この場所に来られたのでしょう?この場所に来てわかりました。ナナちゃんのことを想い、ナナちゃんに謝り、ナナちゃんが助かることを願って、旅立たれたと思います。早く発見されるように、この場所を選んだのでしょう。生きている間に、心の重荷を少しでも軽くしてさしあげたかった。経済的な問題だけでなく、問題行動の多いナナちゃんを預かる場所も人もなく、入院もできない状況だったと推測致します。体調が悪い時、散歩に行くこともできない時、どんなに辛かったことでしょう。

最後の日まで笑顔でペットと暮らせる福島県に!

 白河市内農村部、周囲に人家のない山の中に一軒の家があります。ここには、90歳近い女性が独り犬や猫と暮らしています。画像は、まだ5歳程度の飼い犬。他にも若い猫が多数います。入院したら?との私の問いに「入院なんてしねー」との返事。もし、万が一のことがあったら、この犬や猫はどうなるのでしょう。心の中では、不安を抱え、独り生活する不安を動物で紛らわしているのではないでしょうか。

 白河市内Y宅。70歳代半ばの元気な飼い主様と2頭の大型犬。昼間はエアコンの効いた室内ケージ。夜は室内フリー。朝晩の散歩もたっぷりしてもらって幸せいっぱいの2頭。時間の余裕のある世代に世話をされる動物たちは、幸せですね。飼い主様を見上げる目が本当に優しく、人も動物も幸せだと感じました。

 白河市内、迷い込んできた野良猫のお世話をしている80歳近くの独居高齢者のお宅。オス猫ですが、手術と耳カットをしました。人懐こく、甘えん坊です。他のお宅に迷惑を掛けないように、リードをしています。猫を飼育するのは初めてとのこと。健康状態や飼育のアドバイスを先生にいただきました。

 福島県西白河郡某村、保護した猫等約20匹を飼育する60代の独居高齢者宅。まだ2,3歳の若い猫も多く、「全部の猫を看取るまで長生きしてください」と、いつもお声を掛けています。画像は、庭先に現れた野良猫。当会が去勢手術・耳カットをしましたが、その後甘えん坊になったとのことで、この時も先生にスリスリと甘えていました。

 現在は、今までの活動の中で出逢った方のお宅をお訪ねしております。当会は、高齢者からペットを取り上げるのではなく、ペットとの生活を、憂いや不安なく、楽しんでいただきたいと考えております。しかし、安易に飼うことは止めていただきたいものです。当会が関わらなければ、先の孤独死宅の犬と猫は殺処分になっていたでしょう。このようなケースが増えています。

●ペットをペットショップで買うのではなく、保護団体から引き取る時代へ。

 例えば、当会から引き取っていただく、若しくは預かっていただいた場合、飼育が困難となれば引き取らせていただきます。その安心の中で、憂いなくペットとの生活を楽しんでいただきたいと考えております。通常、保護団体は年齢制限を設け、高齢者には譲渡しない場合が多く、結果としてペットショップで購入しているケースもあると言われております。社会で活躍をされていた高齢者の方々が、譲渡を希望した途端、年齢だけで失礼な扱いを受けるということは間違っています。しかし、孤独死により殺処分される動物がいることも事実。この二つを解消し、動物も人も笑顔で暮らすことができる福島県にしたいと願っております。

●高齢世代をボラ戦力に!社会貢献として、高齢者のペットを高齢者が引き取る・預かる時代へ

 最近の高齢世代の方々は、お元気です。60代の方々は、40代50代よりお元気ではないかと思うこともあります。そして、時間の余裕があります。真面目に働いてきた方ほど、「何かしたい」そんなお気持ちがあると感じます。このような方々に、預かりボランティアをしていただくシステムを構築したいと考えております。つまり、

●病気等でペットの飼育が困難になった高齢者のペット(犬・猫)

         ↓

●高齢者の登録ボランティアが自宅で預かり飼育する

         ↓

●当会は、獣医師との定期訪問やスタッフによる定期訪問・電話やメールで、安否確認及びペットの健康管理をする

 長年ペットを飼育されてきた方々が、「最後まで面倒をみれない」と飼育をあきらめるのは勿体ない。不幸にして飼い主に恵まれずに死に直面した犬や猫が大勢います。命を買う時代から、命を守り慈しむ時代へ!若い世代は、時間的な余裕がありません。子育てで精いっぱいです。60代の方々が90歳まで生きるとすれば、約30年!あります。このうちの10年15年を、不幸な命を救う活動にお役立ていただきたいと考えております。

●第一回笑顔見守り巡回プチヴィー 2017年7月15日

 

●第二回笑顔見守り巡回プチヴィー 2017年8月19日

 

●第三回笑顔見守り巡回プチヴィー 2017年9月24日

 

●第四回笑顔見守り巡回プチヴィー 2017年10月22

 

●第五回笑顔見守り巡回プチヴィー 2017年11月

 

●第六回笑顔見守り巡回プチヴィー 2017年12月

 

●第七回笑顔見守り巡回プチヴィー 2018 年1月

 

●第八回笑顔見守り巡回プチヴィー 2018 年2月

 

●第九回笑顔見守り巡回プチヴィー 2018 年3月

 

この事業は、2018年3月で終了しました。現在は、できる範囲でボランティアが不定期継続訪問しております。

※第五~九回までの報告は、現在作成中です。少々お待ちくださいませ。